月の力
~月の力を味方につける新月伐採~
木は闇夜に切れ
みなさんは月の力をご存じでしょうか。
私たち人間や生き物にとって栄養や水分を体に吸収する力が最も高まるのが満月の時だと言われています。
反対に、月が欠けていく新月の時は体が余分なものを外に排出する力が高まると言われています。
昔の木こりさん達は「木は闇夜に切れ」と言い、闇夜の新月に木を切っていました。
生活の知恵として月の力を活用していたのです。
木(植物)の水分含水量は満月に多くなります。そのため月が欠けていく時の方が樹木の伐採には向いています。1669年に定められたフランスの法律では、「材木用の樹木は欠けていく月の間に伐る」と定められていました。
木は月のリズムによってその生命活動を変化させており最適な時期に伐採をするとデンプン質が少なく、腐りにくい、カビにくい、狂いにくいといった特性が得られ、色ツヤの良い、丈夫で良質な木材になるのです。この事はオーストリアのエルヴィン・トーマ氏の著書「木とつきあう知恵」によって紹介されています。国宝「法隆寺」も月齢伐採(旧:新月伐採)の木で建造されたとも言われています。
月に導かれ豊かに暮らす知恵は、人間が葬り去った真実かも知れません。そんな忘れられた月の力を実験してみました。
土に杭を打ち込み、2004年12月27日~2008年8月11日まで食害の状態を実験した様子です。
満月伐採の材木にシロアリが確認できます。
別の杭でも食害が確認できます。
満月の木はデンプンが多く含まれているのが分かります。
満月の木は「おいしーい」と言うことですね。
新月材でプランターを作り野菜を育てた様子です。
同時期の種まきでも不思議と育ちかたが違います。
同じ田んぼで新月の時と満月の時に摂れたお米を同じ条件で保存してみました。
満月刈りのお米のほうはコクゾウムシにおかされています
葉枯らし乾燥により辺材(白太)に蓄えられていたデンプンが少なくなりカビにくくなることが分かります。
~未来へつなげる~
木ごころでは伐り旬である新月期に伐採する月齢伐採、葉枯らし乾燥、天然乾燥にこだわる工務店、設計士、大工さん達と手を取り合い、月齢伐採(新月伐採)の科学的分析や、普及活動に努める「天竜T.S.匠の会」のメンバーとしてその活動に参加しています。